背番号「31」
阪神ファンになったきっかけでもあり、
一番好きな選手でもある。
掛布が引退までの真相を語る番組を見た。
ドラフト6位、千葉、習志野高校の無名選手が、
頭角を表し、阪神の主力に。
当時阪神の4番打者は、田淵だった。
阪神の4番打者といえば、勝てば英雄、
負ければ戦犯。
やがて田淵がトレードで西武に行くことで、
火の粉をかぶってくれていた田淵が
いなくなることで、
掛布がその役割を担うことに。
翌年不振になり、車に落書き、
イタズラ電話、カッターの刃が入った郵便
に悩まされたと言う。
勝負師とはそういうものとはいえ、
ファンと選手という垣根を完全に
超えてしまった仕打ちに、
ファンのために戦ってきたのに
どうしてこんなヒドい仕打ちを
受けなければならないのかと怒りを感じ、
当時はファンともマスコミとも戦って
いたようだったという。
これを回避するには、
成績を残すことしかないと奮起し、
その後、好成績を残し続けるが、
その精神力は計り知れない。
その好成績の裏には、
あの空白の1日事件の影響で、
阪神に移籍してきた故小林繁氏の
一言があったという。
移籍してきて最初のミーティングで、
放った一言。
「巨人は伝統があるが、阪神には伝統がない」
いろいろな意味合いがある発言だとは思うが、
掛布は、伝統ある阪神の歴史と
歴代の諸先輩方を侮辱されたと感じて、
見返してやろう奮起したそうだ。
そして阪神を日本一に導き、
新たな歴史を築いた。
その後、怪我をしてから不振に陥り、
飲酒運転、オーナーからの侮辱、
上記同様ファンからのバッシングを浴び、
4番打者の地位を剥奪され、
33才の若さで引退に追い込まれた。
番組では、優勝、日本一メンバーが
甲子園に終結する場面があった。
1番真弓、3番バース、4番掛布、
5番岡田、6番佐野、8番木戸、
ピッチャー池田、中西、代打川藤、監督吉田。
ファンにはたまらない懐かしい場面であった。
今期、阪神は2位になったものの、
後半失速し、CSは広島に惨敗した。
打線のふがいなさには目を覆うほどだ。
だが、今の阪神には、掛布のような
バッシングを一手に浴びるだけの存在がいない。
掛布以後、Mr.タイガースと言える
生え抜き4番打者が、
未だに育っていない。
八木、萩原、桧山、浜中、桜井…
藤波投手のように、育てなくても、
10勝できる選手は取るが、
磨けば光る素材を育て上げることが
できない球団。
その掛布氏が、臨時打撃コーチに招聘される。
なぜこれだけ阪神に貢献した生え抜きOBが、
正式にユニフォームを着ることができないのか?
本人が拒んでいるのか?
指導者として評価されていないのか?
金銭トラブルで敬遠されているからか?
ファンとしては再び、縦縞姿を見たいのだが、
これだけの実績のある人物を
コーチとして誰かの下につけるのは
難しいだろうから、監督以外には、
臨時コーチのような形しかないのかもしれない。
個人的に大変期待していた選手、
背番号「31」を背負ってきた林が、
解雇された。
何度裏切られても、
空席になった背番号「31」を
生え抜き4番は袖を通すことを夢見ている。
0 件のコメント:
コメントを投稿