2011年11月3日木曜日
美しい生涯
なにげなく、
<未来をつくる君たちへ~
司馬遼太郎作品からのメッセージ
「安藤忠雄が語る吉田松陰」>
という番組を見ていた。
安藤忠雄氏が牢獄の中でも読書を続け、
日本を改革したいという夢を持ち続けた
吉田松陰のように夢を持つことを
中学生に説いていた。
以前から承知していたが、
独学で建築家になった安藤氏の執念というか、
根性には頭が下がる。
途中から、安藤氏が設計した司馬遼太郎記念館を
中学生とともに訪れる。
司馬氏の蔵書が壁一面に並べられた様子は
すばらしく訪れてみたくなった。
http://www.shibazaidan.or.jp/index.html
安藤氏の紹介で、
司馬氏著「二十一世紀を生きる君たちへ」が紹介された。
子供たちに向けた司馬氏のメッセージと言える著で、
漢字にはすべてルビがふってある。
国語の教科書に載せられたものだ。
そういえば、以前購入したはずと本棚を探してみると、
背表紙の文字が色あせて消えてしまった状態で見つかった。
内容をほとんど忘れていたが、
美しい生涯を送った人として「緒方洪庵のたいまつ」
という文書も載せられている。
幼少期から病弱であった洪庵は、
早くから蘭学を学び、医師として
病に苦しむ人々を救い、適塾を開き、
自らが得た知識を身分差別なく伝え続けた。
結局、拒み続けた将軍侍医を受けた翌年亡くなったが、
医師として、教師として、
人のために生き続けた美しい生涯だったと評価し、
その生き様を子供たちに伝えようとするものだった。
司馬氏は、病弱だった洪庵に対し、
「人間は人なみでない部分をもつということは、
すばらしいことなのである。
そのことが、ものを考えるばねになる。」
と、記している。
司馬氏の生涯を熟知していないが、
名作を生み続けた氏に、
人なみでない部分があったのだろうか?
そう語る氏自身も美しい生涯を送った一人に違いない。
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