2010年10月14日木曜日

死を処方する男

アルパチーノ主演の文字につられて、
重たそうな内容だったが、録画して見みたのが、
「死を処方する男/ジャックケヴォーキアンの真実」
というタイトルの映画かと思ったらテレビドラマらしい。

実在の人物で、100人以上の患者を安楽死させた医師の話。
死に至る液体か気体の薬品が注入されるシステムを作り、
管をクリップのようなもので止め、患者自らの行為で、
安楽死を実行させるというもの。

はじめ、州法に自殺幇助罪に問われる法律がなく、
安楽死を実行する際やそれ以前の問診もすべて
ビデオに撮っていることもあって、本人の意志で実行された
ことが証明され、裁判を起こされるたびに、検事からの
追求を切り抜け続ける。

人殺し扱いする人権運動家たちのプラカードに囲まれながら
も、兄弟や仲間が離れて行っても、安楽死を実行し続けた。

あのゴットファーザーのアルパチーノがすっかり、
老人になりながらも、痛み苦しみ続ける患者を死に
導くことは、医師としての処方だと主張し続ける頑固な医師を
見事の演じ上げていた。

結局、体が動かない患者に自ら薬を投与して、
殺人罪で投獄されるが、食事を拒否したり、抵抗を
し続ける。

私の両親は、安楽死教会というものに登録している。
幸いにも、それを意識させられる状況にはまだ至っていないが、
映画に影響されたわけではないけれども、
安楽死は止む終えないものと思っている。

安楽死は神の意志に背いていると言うが、それを言うなら、
放っておけば、死に至る患者を薬や手術で生かす
医療行為そのものが、神の意志の反しているのではないか。

クローンなどには、
あまりに行き過ぎで抵抗を感じるが、
一時的な痛み苦しみは別として、
病気障害での痛み苦しみから
永遠に解放されない人生を
本人の意志を押さえて続けさせることはできないと思う。

病気に苦しむ家族を介護者が殺害することは、
自分が楽になりたいと行動することもあるが、
当人の苦しみを自分の苦しみと受け取ってしまうから
犯してしまう罪だと思うので、
安楽死に導く医師ほど、患者の身になって、
痛み苦しみを受け止めている証拠ではないか。

苦しもうが、痛がろうが、医師にとって、
入院させ続け、治らない薬を投与し
続けることの方が事務的に楽で儲かるだろうから。

この作品は、エミー賞の主演男優賞と脚本賞を受賞した
そうだ。

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