2012年4月10日火曜日

どうだ!「月に雁」

納戸の書棚の整理をしていたら、
古い切手のアルバムが二冊出てきた。
幼少期に切手収集に夢中になっていた頃があった。
魚、鳥、動物、花、国定公園、オリンピックのシリーズ物、
天皇陛下在位50年記念やお年玉切手シートもある。
ピンピンの新品、
板垣退助の百円札と十円札なんかもある。
極めつけは、800円と高価な切手「月に雁」
ネットで調べると、
売値が9000円から10000円になる。

















懐かしさはあるが、
それ程の愛着もないので、
売ることにした。
買い取りは、おおむね予想を下回ることが多いので、
すべてひっくるめても、
2000円以上5000円以下ぐらいとちゃうか?
との想定を持って、切手商会に向かった。

雑居ビルの一階の奥を突き当たって
さらに細い通路を曲がったさらに奥にあった。
チケット情報のチラシが外壁一面に貼ってある。
切手の売買よりもチケットショップが
主流になっているようだ。

切手の買い取り希望の旨を伝えると
カウンター横の丸いすに案内され、
「沢山ありますが‥」と
今日中に鑑定できないかもしれませんがの
ニュアンスを含めつつ
二冊のアルバムを置く。
「拝見します。」と言い終わると、
パラパラとめくっていく。
アレアレ...そんなに早く鑑定できるの?
と思っていたら、
案の定、「月に雁」で手が止まる。
どうだ!「月に雁」持ってるぜ!の目線を
送りながら見ていると、
担当者はピンセットで丁寧に引き出し裏返す。
ちょっと黄ばんでるけど、シワも折れもなく、
綺麗なものだ。
ピンセットでしまうと、
また前の調子で簡単にページをめくり終わった。

値がつくのは、「月に雁」だけか…と思っていると、

「未使用のものは、ご使用いただけますし、
記念としてお持ちいただければ良いかと思います、
ありがとうございました。」

と半笑いで言い終えた。

…………。
無価値かよ…。

内訳やらどれがいくらなのかと
突っ込んで聞いてやろうと思っていただけに、
想定外の結果に小っ恥ずかしくなり、
私の「月に雁」の何が悪いの?と尋ねることもできず、
逃げるように切手商会を後にするのであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿