本棚から目当ての古い本を探していたら、
別の本が気になって読み返してしまうことが
よくある。
「忍法・超人の世界ー忍法に見る日本人の合理性と知恵ー」
昭和50年発行の古い本だ。
忍法というと真田十勇士の猿飛佐助、霧隠才蔵、
八犬伝の犬山道節の火遁の術などに胸躍らせたが、
煙を出してドロンと消えるものではなく、
戦国を生き抜くための合理的かつ科学的なものだというもの。
忍法秘伝書「万川集海」によれば、
姿を表したまま行う“陽忍”と姿をくらませて行う“陰忍”とがあり、
頭脳忍とも言える“陽忍”が現代でも応用できると筆者は言う。
三百年前からあった甲賀流のガン特効薬(カワラタケ)、
喉の乾きを止める薬、人をアホウにする薬などの
医術の記載も面白いが、この本購入時にしばらく実践していたのが、三脈の法。
動物には予知能力があるとよく言われるが、同じ動物の人間もその能力があるはず、
昭和41年の全日空墜落事故の際、札幌旅行が当選した夫婦の夫人が胸騒ぎを感じ、
旅行を取りやめ難を逃れたというエピソードが書かれている。
不吉な夢を見て起きたら胸がドキドキしていたというのは、
胸がドキドキし出したから
不吉な夢を見たと言うのが正しいと言う。
そういった予知能力は特殊な人間だけの特殊能力ではなく、
気づいていないか、無視しているだけではないか、
誰でも危険予知することはできないかということで、
三脈の法が、紹介されている。
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左手を開き、親指と人差し指の先で、自分の左右の頸動脈を軽く押さえる。
次に右手の親指で左手の親指の下部にある脈を押さえる。
この三カ所の動脈を一緒に押さえてみて、三つの脈拍が少しの遅滞もなく、
三拍子揃って打っていれば危険はない、不揃いで乱れていれば危険ありと
察知して速やかに対策を立てるべし。
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明治元年、上野戦争の際、直心影流十四世の剣豪/榊原健吉は、
この三脈の法をもって危険を予知し、道場の門弟全員を避難させた。
数時間後に大村益次郎率いる砲兵隊のアームストロング砲が
彰義隊の籠る上野の山に放たれたが、
外れた一発が榊原の道場に落下し破壊されたという。
自律神経が不整脈に影響を与えることから医学的にも理にかなっているとあるが、
実行していた当時私は、幸か不幸か、脈の乱れを感じたことがない。
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